
子育てをしていると、「子どもは褒めて育てよう」「子どもが伸びるには親の褒め方が大事」ということを見聞きする機会もあると思います
しかし、いざ実践しようと思ったとき、どうやって褒めたらいいのかわからないと悩んでいませんか

実は私がそうでした
上手に褒めることができず、子どものことを叱ってばかりの自分を反省し、コーチングを学び、たくさんの書籍を読みました

学びを深めるなかで、子どもを上手に褒めるためのポイントに気づくことができました
実は子どもを上手に褒めるポイントはシンプルで、子どものありのままを受け入れ認めることです
親が子どものありのままを受け入れることができないと、子どもの「できていない」ところに意識が向いてしまいます
その結果、子どものできないところを「注意する」「指摘する」「叱る」ことになるのです
しかし、子どものことを「認める」ことにより、「できたこと」「できること」を観察するようになり、ちょっとした成長でも褒めることができるようになります

「褒める」=「認める」に気づいてから、子どもの結果ばかりに捉われていた私は、子どものことをよく観察し、子どもの気持ちを理解しようと思えるようになりました
さらに、この記事では子どもを上手に褒める具体的な言葉がけについても解説します
結論を先にいうと、具体的な言葉がけは次の5つ
- イイトコ褒め
- オドロキ褒め
- プロセス褒め
- カンシャ褒め
- シツモン褒め
この記事を読むと、子どもをありのままに受け止めて、上手に褒めて育てる方法がわかります
この記事でわかること
- 子どもを褒める具体的な言葉がけ
- 「褒める」=子どものありのままを受け止めること
- 子どもを褒めるときのポイント
こんな人におススメ
- 褒めて伸ばす子育てを実践したいと思っている人
- 子どものことを叱ってばかりで、どうすれば上手に褒めるか悩んでいる人

僧侶&チャイルドコーチングアドバイザーの資格を持つ私が、子どもの上手な褒め方について解説していきます!
褒め上手な親は子どもをありのまま受け止めている
「子どもを上手に褒めるためにはどうしたらいいんだろう」

実は褒め上手な親は「褒める」ということの本質をよく理解しています
褒め上手な親が知っているポイントは次の2つ
ポイント
- 「褒める」=「認める」
- 子どもをありのまま受け止める効果

それぞれについて詳しく解説していきます
「褒める」=「認める」
子どもに関する書籍をたくさん読むなかで、「褒めて伸ばす」ことがいいと盛んに言われていることに気づきました
しかし「褒める」にばかり注目してしまい、結果を出したときばかりに褒めるようになってしまっては逆効果です

「結果を出した自分はすごい」と子どもが思うようになってしまいます
「結果が出なければ褒められない」と思うようになってしまい、結果が出せない自分はダメな子どもだと自信を失ってしまうことにもなりかねません
大事なことは意識を「褒める」から「認める」に転換することです
教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、「究極の子育て 自己肯定感×被認知能力」(おおたとしまさ監修・こどもまなび☆ラボ編/出版・プレジデント社)のなかで次のように述べています
子どもの行為のプロセスそのものを認める、あるいは子どもの言葉に対して「面白いところに気づいたね」と発想そのものを認めるのです。そうすれば、自分のうちから湧き上がってくるものを子ども自身が認められるようになる。
「究極の子育て 自己肯定感×被認知能力」
「認める」ということは、結果を出しても出さなくても、子ども自身の存在に価値があると伝えることです
さらに、子どもを「認める」際には、必ずしも言葉はいらないとも述べています
大切なのは子どものサインを見逃さないことです
子どもにアイコンタクトを返すだけでもいいので、目の動き一つでも反応して「見ているよ」と伝えることが大事です
- おおたとしまさ
- 973年生まれ、東京都出身。育児・教育ジャーナリスト。
雑誌編集部を経て独立し、数々の育児・教育媒体の企画・編集に携わる。
中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験や心理カウンセラーとしての活動経験もある。
現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。
著書は『21 世紀の「女の子」の親たちへ』『21世紀の「男の子」の親たちへ』(ともに祥伝社)など60冊以上。
子どもをありのまま受け止める効果
褒めるのが上手な親は、無理に褒めることなく、子どものありのままを受け入れています
「究極の子育て 自己肯定感×被認知能力」 から学んだ、子どもをありのまま受け入れることによる効果は次の2つ
- 自己肯定感が高まる
- 自信が育ち失敗を恐れない

それぞれ詳しく解説していきます
自己肯定感が高まる
子どもを持つ親であれば、「自己肯定感」という言葉を目にする機会も多いのではないでしょうか
自己肯定感はそれだけ重要なものだと考えられています
- 自分は大事な存在だ
- 自分はここにいていいんだ
自分を認める安心感が長い人生を充実させてくれる力になります
そのためにも、「わたしはわたしでいい」という感覚が必要です
自己肯定感が高まった子どもは、ありのままの自分自身を認められる安心感により、人と自分を比べません
誰もが何でもできるわけではありません
得意なことやできないことがあって当たり前です
そのことに気づいてもらうためにも、子どもをありのまま受け止める親の存在が大事になってきます

子どもが自分の良さに気づけるようなかかわり方を意識したいですね
自信が育ち失敗を恐れない
自己肯定感が高まり自分に自信を持っている子どもは、何にでも積極的に取り組むことができます
どんな結果になったとしても、自分自身で自分のことを認めているからこそ、無条件に認めている核の部分が損なわれることはありません
そんな安心感が育まれているからこそ、さまざまなことにチャレンジできます
自分自身を受け止めているからこそ、失敗しても再び立ち上がることができます
子どもの自信を育むためにも、「できた」「できていない」にかかわらず、子どもをありのまま受け止めてあげましょう

子どもの自信の育て方は、別の記事でも詳しく解説しています
【どうせならもっと上手に叱らない?】
自分のことは自分でする子が持つ「自信」の育て方子どもの才能や長所を伸ばす5つの言葉がけ
褒めるためには、子どもをありのまま受け止めていることが大事だということを解説してきました

ここからは上手な褒め方について解説していきます
上手な褒め方について参考にした書籍は「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」(吉村直記・著/出版・すばる舎)です
- 吉村直記(よしむら・なおき)
- 社会福祉法人みずものがたり理事・おへそグループ統括園長。公認心理師・保育士・幼稚園教諭・中学高等学校教諭。
現在、小規模保育所「おへそ保育園」・幼保連携型認定こども園「おへそこども園」・企業主導型保育所「おへそつながり」・児童発達支援施設「おへそこども学園」・放課後学童クラブ「おへそ学道場」計5事業を統括する園長として働くかたわら、空手指導・執筆・講演活動の他に、一男一女の父として子育てにも奮闘中。
この書籍では佐賀の人気園の園長である吉村直記さんが、「子ども目線」による褒め方と叱り方のコツを解説してくれています
著者がおススメする具体的な言葉がけの方法は次の5つ
具体的な言葉がけ
- イイトコ褒め
- オドロキ褒め
- プロセス褒め
- カンシャ褒め
- シツモン褒め
ここからは、書籍で紹介されている具体的な言葉がけについて解説していきます

「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」 (吉村直記・著/出版・すばる舎) については、別の記事で詳しく解説しています
どうせならもっと上手に叱らない?
子どもに伝わる叱り方のコツ3選その①:イイトコ褒め
「褒める」は子どもの良いところを見つけることから始まります
このときに大事にしたいことは、本人が持っている力を見つけて認めてあげることです
本人の才能の原石を磨いていくようなイメージを持つとわかりやすいかもしれません
子どもが自分の魅力を意識できるような言葉がけを心掛けましょう
- 言葉がけ例
- 「友達にやさしくする力を持っているね」
「おもしろいことを言ってまわりを喜ばす力を持っているね」
「コツコツ努力する力を持っているね」
「意見をしっかり伝える力を持っているね
「一つのことをやり抜く力を持っているね」

「~の力を持っているね」と伝えることで、子ども自身が自分の長所や魅力を意識できるようになりますよ
その②:オドロキ褒め
自分の感情をストレートに伝える方法がオドロキ褒めです
著者は「おっ!」「ひょえー」と褒め言葉の頭に付けるだけで、喜びや悲しみ、驚きや感動などの感情をそのまま伝えることができるといいます
極めつけは「教えて!」と続けることです
親は子どもに教える側だと認識してしまいがちですが、子どもから教わることもたくさんあります
「教えて!」と声をかけることで親子であっても対等な関係性であると意識できます
- 言葉がけ例
- 「おっ!いいね!」
「ひょえー!すごいな!」
「おっ!そんなこともできるようになったんだ!どうやってするのか教えて?」

驚きや簡単で親の感情を伝えることで、子どもは自信を身に付けることができますよ
その③:プロセス褒め
子どもが出した結果ではなく、結果までの努力の過程に注目して褒めるのがプロセス褒めです
結果や能力を褒めると子どもたちにはかえって逆効果になり、は意欲を失い成績が低下するという実験結果もあります
下手な褒め方はかえって逆効果になる可能性があるということを示しています
- 言葉がけ例
- 「がんばってて素晴らしいね」
「苦手なのに一生懸命やれるなんてえらいな」

努力の過程を褒めることができるのも、普段の子どもの様子を観察できる親の特権ですね
その④:カンシャ褒め
自分の喜びを相手に伝えるのがカンシャ褒めです
感謝の気持ちが伝わると、自分の行動で喜んでもらえたと嬉しくなり、子どもにとっては大きなモチベーションになります

ただし、感謝に対し過剰なご褒美を子どもたちに与えることには注意してください
過剰なご褒美を与えられると、次からはご褒美自体が目的になってしまいます
子どもがお手伝いや親切な行動など、他の人が困っていることに協力したときは、大げさに褒めたりご褒美を与えたりする必要はありません

ただ「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるだけで十分です
- 言葉がけ例
- 「お手伝いをしてくれてありがとう、助かったよ」
「元気にあいさつしてくれてありがとう、こっちも元気になったよ」

感謝の気持ちをそのまま伝えることが、子どもにとっては何よりも嬉しいプレゼントになりますよ
その⑤:シツモン褒め
褒めながら質問するのがシツモン褒めです
質問することで、子どもの言葉を引き出したり、自分の得意を認識したり、自分の行動の過程を振り返ることができます
- 言葉がけ例
- 「絵を描くのが得意だね!どうやったらそんなふうにできるの?」
「走るのが速いね!どうやったらそんなふうにできるの?」
「いつも部屋をキレイにできているね!どうやったらそんなふうにできるの?」
アプローチの工夫で子どもたちの気持ちはコロッと変わります

質問から、子どもの得意と自信を引き出してあげたいですね
褒めるときのポイント
ここまで書籍 上手な褒め方について参考にした書籍は「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」(吉村直記・著/出版・すばる舎)を参考に具体的な褒め方について紹介してきました

ここからは、さらに褒めるときのポイントについて解説していきます
ポイントは次の2つ
- 行動したらすぐ褒める
- 自分の気持ちを伝えることを意識する

それぞれ解説していきます
その①:行動したらすぐ褒める
はじめに気をつけるポイントは行動したらすぐに褒めることです
行動分析学という研究分野があります
人の行動を定着・習慣化しやすくするためには、60秒以内に反応や言葉がけがあるといいと言われる60秒ルールがあります
繰り返してほしいことをすぐに褒めることによって、その行動が定着します

子どもがいいことをしているときには「ありがとう!」「頑張ってるね!」とすぐに感想を伝えましょう
その②:自分の気持ちを伝えることを意識する
子どもとのコミュニケーションで大事にしたいことは、主語を「わたし」にする「Iメッセージ」です

主語を「あなた」にした伝え方が「YOUメッセージ」です
この「Iメッセージ」を意識するだけで、自分の気持ちをそのまま子どもに伝えることができます
- YOUメッセージ
- 「(あなたは)手伝ってくれてえらいね」
- Iメッセージ
- 「(わたしは)手伝ってくれたから助かった、ありがとう」
YOUメッセージをIメッセージに変える工夫をするだけで、子どもが受け取る印象が大きく変わるのがわかります

Iメッセージを意識することで、結果ではなく、過程を認めることを意識できます
子どもも親の気持ちを素直に受け取ることができます
- 自分のことをこんな風に思ってくれていたんだ
- 自分の存在はこんな影響を与えていたんだ
ありのままの自分を認めてくれることで、自分の価値を感じることができます

自分の気持ちをそのまま伝えるコミュニケーションを意識すると、子どもの自己肯定感も高まりますね
学びからの実践
ここまで2つの書籍を参考に、上手に褒めるための方法について解説してきました

ここからは、書籍を通して私が実践してうまくいったと実感したエピソードについて紹介していきます
エピソード①:お風呂での出来事
わが家には、小学2年生の娘と3歳の息子がいます
3歳の息子はまだ幼くできることが少ないため、今までできなかったことがたくさんあります
娘は小学生のため、息子と比べるとできることが多いため、褒められる機会が息子ほど多くないことに不満を抱いていました
そこで、息子ができるようになったときには、娘も一緒に褒めることを意識するようになりました
- 場面
- 息子がお風呂で顔をつけることができるようになったとき
- オドロキ褒め(息子に対して)
- 「えっ!お風呂で顔をつけられるようになったの!ビックリしちゃった!」
- カンシャ褒め(娘に対して)
- 「お姉ちゃんが上手に教えてあげたから、できるようになったんだね、ありがとう」

褒められた娘はとても嬉しそうにはにかんで、他のことも積極的に息子に教えてくれるようになりました。工夫次第で子どもの受け取る印象が変わるんだなと実感したエピソードです。
エピソード②:鉄棒の練習
小学2年生の娘は鉄棒が苦手です
まわりの友達は逆上がりができるようになったけど、娘は全然できないと悩んでいました
そんなとき、2人で一緒に公園に行く機会がありました
「一緒に練習しよう!」と言っても自信のなさからか練習しようとしません
何度かやり取りをしているうちに鉄棒に向かった娘
やってみると話で聞いている以上にできるようになっていました
- オドロキ褒め+シツモン褒め
- 「えっ!すごい!前よりも逆上がりに近づいてるね!たくさん練習したの?」

たくさん練習したことを教えてくれ、その日はしばらく一緒に練習しました。まだ、逆上がりは成功していませんが、チャレンジする心を育てることができたと実感したエピソードです。
まとめ|子どものありのままを全身で受け止めよう
この記事では、子どもを上手に褒める方法について解説してきました
こんな人におススメ
- 褒めて伸ばす子育てを実践したいと思っている人
- 子どものことを叱ってばかりで、どうすれば上手に褒めるか悩んでいる人
参考にした書籍は次の2冊
- 参考図書
- 「究極の子育て 自己肯定感×被認知能力」
「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」
「究極の子育て 自己肯定感×被認知能力」(おおたとしまさ監修・こどもまなび☆ラボ編/出版・プレジデント社)
「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」(吉村直記・著/出版・すばる舎)
この記事でわかること
- 子どもを褒める具体的な言葉がけ
- 「褒める」=子どものありのままを受け止めること
- 子どもを褒めるときのポイント
子どもを褒めるということは、子どもの存在を認めて、ありのままを受け止めることです
子どもの存在を認めて、ありのままを受け入れることができれば子どもへの言葉がけも変わってきます
上手に褒めるための具体的な言葉がけは次の5つ
- イイトコ褒め
- オドロキ褒め
- プロセス褒め
- カンシャ褒め
- シツモン褒め
最後に、子どものことを受け止めるということは、単に言葉だけで実践するものではありません
表情や視線、身振り手振りや姿勢など、全身で子どもを受け止めるという雰囲気を意識することが大事です
子どもを全身で受け止め、子どもの小さな「できた」に目を向けた褒め上手な親を目指しましょう

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!