
- 「最近、子どもがすぐに『無理』『できない』って言っちゃう…」
- 「子どものやる気を引き出したいけど、どう声をかけたらいいのかな…」
- 「自宅学習を習慣づけたいんだけど…」

子どもの教育を考えているからこそ、このようなことで悩んでいませんか
実は、子どものやる気を引き出し、意欲的に取り組むことができるようになる方法があります

「コーチング」というアプローチ方法を活用して子どもと接することです
コーチングとは、自己肯定感を高めながら、相手の中にある答えを引き出す方法で、ビジネスやキャリアアップの場面でも活用されています
このコーチングのアプローチ方法を意識して子どもと接することで、子どもが内に秘めていることや意欲を上手に引き出すことができます
私は、意欲的に学習できない小学生の娘に対して悩んでいた時に、このコーチングというアプローチ方法に出会いました
コーチングを学んでから、娘に対して、話をじっくり聴き、個性を大切にし、一人の人間として接することを意識するようになりました

そのおかげで、以前に比べ、子どもが自主的に行動する機会が多くなりました
この記事では、コーチングを活用して子どものやる気を引き出す方法について解説していきます
この記事を読めば、指示や命令をしなくても、子どもがやる気をもって取り組むことができる方法がわかります
この記事でわかること
- 子どものやる気を引き出す方法
- 子どもの個性を大切にした接し方
- 一人の人間として子どもと接するコミュニケーション方法
- 指示や命令をしないで、子どもの話をじっくり聞く方法

僧侶&チャイルドコーチングアドバイザーの資格をもつ私が、子どものやる気を引き出す方法を解説していきます
相手の答えを導き出す「コーチング」

コーチングの目的と原則
目的「自分で目標を叶えるためのサポート」

コーチングは、子どもが自分で目標を叶えるためにサポートすることを目的としています
「自分で目標を叶える」ということは、実現したい目標を自分で決め、自分の力で行動できるようにするということです
子どもが、目標に向けて問題を解決し、自分の力で夢を叶えるためには、「自分にはできる」と強く信じる自己肯定感が必要です
つまり、コーチングによるアプローチで、自己肯定感を高めることが重要になります

自己肯定感が高いと聞いてどんなイメージを持ちますか?
「自己肯定感が高い」=「ポジティブ」というイメージを持つ人も多いと思います
しかし、実は自己肯定感が高い状態というのは、常にポジティブであるということではありません
自己肯定が高い状態
- BAD
- 常にポジティブで自信に満ち溢れた状態
- GOOD
- 自分には強みも弱みもあることを知っていて、あるがままの自分を受け入れることができる状
自己肯定感が高い状態というのは、あるがままの自分を受け入れている状態です
強みも弱みもあるのが自分自身だと受け止め、そんな自分自身を認めることで、高い自己肯定感を保つことができます
そのためには、誰かに自分自身を認めてもらうという経験が大きく影響します

自分を認めてくれる存在が近くにいるという安心感で、あるがままの自分自身を受け入れていくことができます
チェックポイント
自己肯定感を高めて、自分で考え行動できるように導き、 子どもが自分で目標を叶えることができるようサポートし続ける
原則「かたまりでみない」「見捨てない」「可能性を信じる」

ここからはコーチングのポイントについて解説していきます
コーチングには3つの原則があります
コーチングの3つの原則
- かたまりで見ない
- 見捨てない
- 可能性を信じる
- かたまりでみない
- 一人ひとりを見て、個々に接する

私たちは、場合によって子どもたちを一括りのかたまりとして見てしまうことがあります
しかし、コーチングでは、必ず一人ひとりを見て、個々に応じた適切な接し方をする必要があります
- 見捨てない
- コミュニケーションを通して前向きな姿勢で関わり続ける
何か失敗したり、できないことがあったとき、そのことを親から否定されれば、子どもは 親から認めてもらえていないと不安を感じてしまいます
たとえ、失敗やできないことがあっても、挑戦したことを認め、自分を信じてくれる存在があれば、子どもは安心して自発的に行動を起こせるようになります

うまくいかなくても、コミュニケーションを通して、「次はどうする?」という前向きな姿勢で子どもたちと関わり続けることを重視しています
- 可能性を信じる
- 目標を達成するための力が備わっている存在として見る

自分の可能性を信じてくれる人がいるだけで、自分自身をあるがままに受け入れることができます
子どもたちを目標を達成するための力が備わっている存在としてみることで、やる気を引き出し、自発的に行動できるようアプローチしていきます
相手の中から引き出すコーチング
ティーチングとコーチング

コーチングと聞いて多くの人が連想するのが、サッカーや野球を指導したり、トレーニングさせたりすることではないでしょうか
実は、この何かを教えてもらうということは「ティーチング」と呼ばれ、コーチングとは似ているようで、正反対のアプローチ方法です
- ティーチング
- 自分が持っている答えを相手に与える指示命令型コミュニケーション
- コーチング
- 相手が持っている答えを引き出す質問提案型コミュニケーション

自分が持つ「答え」を与えるのがティーチングです
- ティーチングの効果
- ● 問題が早く解決する
- ● 答えを与えられるのを待つようになる
- ● 教える側が持っている以上のものを教えることができない

場合によっては、ティーチングも必要なアプローチ方法ですが、教える側が持っている以上のものを教えることができません
ティーチングは、「自分の限界」=「相手の限界」となってしまう

相手が持っている「答え」を引き出すのがコーチングです
- コーチングの効果
- ● 子どもの考えることを促して、子ども自身で答えを見つけることができるよう導くことができる
- ● 時間がかかる

「答えはいつも相手の中にある」という姿勢でアプローチしていく為、時間はかかりますが、子どもの考えることを促して、答えを引き出せる可能性があります
これからの社会で生き抜くために、子ども自身で「答え」を見つけることができるよう導くことが求められています
コーチングは、 「答えはいつも相手の中にある」=「子どもの可能性は無限大」というアプローチ方法

子どもの可能性を信じて、子どもの中にある答えを引き出せるように導いてあげたいですね
コミュニケーションのポイントとスキル


コーチングのコミュニケーションをするうえで、必要なポイントとスキルがあります
それが、「雰囲気」「傾聴」「承認」「質問」です
- コミュニケーションのポイント
- 「雰囲気」
3つのスキル
- 真剣に聴く「傾聴」
- 自己肯定感を育む「承認」
- 考える力を引き出す「質問」
人を受け入れる「雰囲気」
いつも忙しそうにしていたり、疲れていたり、威圧的な態度をとっている人には、私たちも相談してみようといはなりません

まずは、子どもが話かけやすい雰囲気づくりを意識しましょう
そのためにも、言葉以外で自分の気持ちや考えを表現する「非言語コミュニケーション」を大事にしてください
この非言語コミュニケーションはコミュニケーションを図るうえで大きく影響する要素となります
「相談したい」と思える雰囲気の作り方
- ①顔を意識
- 表情、視線、うなずき
- ②身体を意識
- 姿勢や、身振り・手振り、立ち居振る舞い
- ③音声を意識
- 声の大小や高低、話すスピード、アクセントの位置、間の取り方

「非言語コミュニケーション」が子どもの心に大きく影響します
- 相談したいと思えるような雰囲気づくりを大切に
- 非言語コミュニケーションを意識する
真剣に聴く「傾聴」
- 傾聴
- 相手の話を否定せず、最後までじっくり聴くこと

私たちは、日頃、「自分の話をしっかり聴いてもらった」と実感できる機会は意外と少ないのではないでしょうか
聴くことは、相手の言葉の裏側にある感情までも推し量る行為です
たとえ自分の考えと違ったり、途中で口をはさみたくなっても、いったん相手の言うことを受け止める「傾聴」の姿勢が重要です
話を聴くことで送るメッセージ
- あなたの話を聴くことが重要だと思っている
- 私はあなたの存在を大切だと思っている

真剣に話を聴くということは、何も発しなくても、子どもに「安心」と「信頼」を与えるメッセージになっていますれているんだね!
- 子どもの話を真剣に聴くことで、子どもに安心感と信頼感を与える
自己肯定感を育む「承認」
私たちは、人からいいところを伝えてもらうと、挑戦意欲が増し、自己肯定感を高めることができます

これが「承認」してもらうということです
この承認には3つの承認があります
3つの承認
- 結果承認
- 行為承認
- 存在承認
- 結果承認
- 既に出ている成果や、結果をだしたことに対して行う承認
- 行為承認
- 結果がよくなかった、まだ結果が出ていない場合でも、それまでの行為に対して行う承認
- 結果承認
- 結果を出していなくても、存在しているだけで価値があるという承認
承認というと、相手が出した結果をほめることと考えがちです
相手の自己肯定感を高め、行動を促すためには、結果までの頑張りを認めることが重要です
行為承認や存在承認をせずに結果承認だけを行うと、子どもは結果を出さないと認めてもらえないと感じてしまう可能性があります

行為承認や存在承認よりも、結果承認の方がわかりやすいため、結果ばかり意識していませんか
行為承認・存在承認のポイント
- GOOD
- 加点方式で、できたことに注目する
- BAD
- 減点法式でできなかったことに注目する

結果ばかりにとらわれてしまう方に持ってもらいたい視点は、加点方式で、できたことに注目することです
加点方式の視点で接することができれば、結果だけではなく、結果までの道のりも受け止めることができます
そして、更に効果的に承認するためのポイントは「具体的に」「タイミングよく」「心を込めて」承認することです
「どこがすごいのか」「出来事があればすぐに」「表情や態度などを交えて」承認することで、子どもの自己肯定感につながっていきます
- 結果までの頑張りを「具体的に」「タイミングよく」「心を込めて」 言葉にして伝える
考える力を引き出す「質問」

私たちが日頃使っている質問は、「自分が知りたいこと」を尋ねるものが多いのではないでしょうか
コーチングにおける質問は、「相手のやる気を引き出すこと」「相手の考えを深めてもらうこと」を主眼に置きます
子どもが自分の中にある答えや考えを発言できるようにするためには、日頃から子ども自身で考える習慣を身に付ける必要があります
考えるを習慣にするポイント
親が指示を出さない
私たち親は、子どものことになると、つい口出しをしてしまったり、子どもが考えるよりも先に解決方法を渡してしまいがちです
しかし、本当に大切なことは、転ばぬ先の杖を渡すことではなく、転んだ時に自分自身で立ち上がることができることです

子どもが考えることを習慣化するためには、質問の仕方を工夫する必要があります
考えるを習慣にする質問
- GOOD
- 「肯定質問+未来質問」で実現可能なことを肯定する質問
- BAD
- 「否定質問+過去質問」で実現不可能なことを否定する質問
子どもが失敗してしまったとき、つい失敗した過去の出来事に対して「なぜ」「どうして」などの否定質問をしてしまいがちです
しかし、この「否定質問+過去質問」では、子どもを反発させてしまったり、子どもが責められていると感じてしまう可能性があります

失敗してしまった過去は変えようがありません
子どもが失敗したときに必要なアプローチは、 「肯定質問+未来質問」 で実現可能なことを肯定的に質問していくことです

やる気をうまく引き出すことができれば、未来に向かった行動につなげていくことができます
- 親は指示命令せずに、自分で考えることができるようサポートしていく
- 「肯定質問+未来質問」で子どものやる気を引き出し、目標に向かうきっかけをつくる

子どもの自主性を育てる方法は、別の記事で詳しく解説しています
子どもの自主性を育てたい!
自分のことは自分でする子が持つ「自信」の育て方学びから実践していること
ここまで、コーチングを用いて、子どものやる気を引き出す方法について解説してきました

ここからは、私が実際にコーチングで学び、小学2年生の娘に実践していることについて、実践前の行動を踏まえながら紹介していきたいと思います
学びから実践していること
- 子どもの話を真剣に聴く
- 結果ではなく行為を見る
- 質問の方法を意識する
子どもの話を真剣に聴く
before
- 子どもの行動を否定し、思ったことを口に出していた

子どもがすぐに 「できない」「無理」 と言って諦めてしまった場合、その理由を聞いて、私が納得できなければ、子どもの考え方を否定し、思ったことを口に出してしまっていました
例えば、小学校の算数の宿題がわからず、「できない」「無理」と投げ出していた場面がありました
よくよく話しを聞いていくと、「めんどくさいから」の一言ですまされていたこともあります
そんな時、その発言の裏側にある気持ちを推し量らずに、単純に言葉だけで判断し、「めんどくさいという理由だけで宿題しないのはいけない」と行動を否定してしまっていました
after
- 子どもの発言の裏側にある感情を意識するようになった

コーチングを学んでから、子どもの言葉の裏側にある感情は何なんだろうということを意識し、子どもの話を真剣に聴くようになりました
先ほどの小学校の算数の宿題がわからなかった場面で、「できない」「無理」という発言をした理由を聴いていくと、実は、計算問題のやり方がわからないけど、うまく説明ができず「めんどくさい」の一言で片づけてしまっていたことがわかりました
解き方も理解できるようになると、それ以降は、「できない」「無理」と発言することが少なくなりました

親が根気よく、真剣に子どもと向き合うことで、子どものやる気が引き出せると実感した1シーンです
結果ではなく行為を見る
before
- 学習=机に向かっていれば満足していた

自宅学習を習慣づけたいとの思いから、子どもの気持ちを確認せずに、机に向かって勉強していればいいと思っていました
そこには、子どもがどんな子に育ってほしいのかという目的も存在しなく、ただ、学習だけをしていれば満足する親の勝手な想いがそこにはあったような気がします
after
- 子どもが自分で決めたことは否定せずに認めるようになった

コーチングを学んでからは、子どもが自分で決めたことは親が口出しせず、最後まで見守ることを意識しています
私に否定されることがなくなった娘は、自分で決めたことは私が言わなくてもやるようになりました
すると、学習意欲がわいてくるのか、今までは、時間があってもしなかった家庭学習も、自分から進んでするようになりました

親が子どもの行動を認め、ありのままを受け止める重要性を実感します
質問の方法を意識する
before
- 否定+過去質問で子どものやる気をなくさせていた

子どもが失敗してしまった時、どう声をかけたらいいのかわからず、「否定+過去質問」をしてしまっていました
失敗から学んでもらいたいと思い、そこからやる気を引き出すために、質問をしていたにも関わらず、「なぜ」「どうして」と質問することで、子どもは責められていると感じていたことでしょう
そのことで、私に対して反発することも多くありました
after
- 肯定+未来質問で子ども何ができていないかを確認し、次に繋がるようになった

失敗したことを責めるのではなく、失敗した事実を次につなげていく為に、何ができるかを確認していくように意識しています
子どもが反発することは少なくなり、少しずつやる気を出して取り組んでいけるようになりました

まだまだ実践中ですが、少しずつ娘との関係もよくなり、以前に比べてやる気を出して物事に取り組んでくれているように感じます!
まとめ:子どもの可能性を信じよう
今回の記事では、子どもの教育を考ええているからこそ、子どものやる気を引き出し、意欲的に取り組むことができるようになる方法を知りたいお父さん、お母さんに向けて、コーチングのスキルを意識した子どもとの接し方について解説してきました
この記事でわかること
- 子どものやる気を引き出す方法
- 子どもの個性を大切にした接し方
- 一人の人間として子どもと接するコミュニケーション方法
- 指示や命令をしないで、子どもの話をじっくり聞く方法
「コーチング」とは、自分が持つ「答え」を与えるティーチングとは異なり、相手の中にある答えを導き出すアプローチ方法です
自分の中にある可能性を信じることで、子どもの自己肯定感を高めることができます
- ティーチング
- 自分が持っている答えを相手に与える指示命令型コミュニケーション
- コーチング
- 相手が持っている答えを引き出す質問提案型コミュニケーション
コーチングでは、コミュニケーションのポイントと3つのスキルを意識する必要があります
- コミュニケーションのポイント
- 「雰囲気」
3つのスキル
- 真剣に聴く「傾聴」
- 自己肯定感を育む「承認」
- 考える力を引き出す「質問」
これらのポイントとスキルを用いて子どもと接することで、子どものやる気を引き出すことができます

大事にしたいことは、私たち親はあくまでも、子どものサポート役にすぎないということです
「子どもにはやる気を持って行動してほしい」「意欲的に取り組んでほしい」と思うのは、親の期待の表れです
しかし、子どもの人生の主役は、当然子どもです
親の期待が子どもに反映してしまってはいけません

期待通りにいかないと、子どものやる気を失うアプローチをしていたのは私自身であるということに気付きました
コーチングの根底にあるものは「相手をサポートしたい」「相手の中にある答えを引き出したい」という気持ちです
その気持ちは、私が子どもに抱く想いと同じです

私はコーチングを学ぶことでそのことを再確認することができました
子どもが、実現したい目標を自分で決め、自分で問題を解決し、自分の力で夢を叶えることができるためにも、私たち親も、子どもの可能性を信じ、見守っていきましょう

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!